三菱 ランサー(1989年) 1990年頃からスパイクタイヤが禁止になりスタッドレスタイヤに移行していきました。道路舗装が痛んで、春は粉塵、夏シーズンは工事という繰り返しでしたから、スタッドレス化はよかったと思います。 スタッドレスタイヤの駆動方向グリップは、スパイクタイヤに劣るのでFFではチェーンが必要なことが多くなります。制動方向も若干弱いですがチェーンの必要を感じることはありません。 この頃から4WD専用車でなく、乗用車などのタイプの一つとして4WD車設定されるものが増えて来ました。それらの多くは、FFをアシストするようにビスカスカップリングで後輪を動作させたり、前後回転数差をにがしたりするスタンバイ式4WDです。今でもこのタイプが一番多いです。 スタンバイ式は、FF・前輪スリップ時に後輪アシストという仕組みですので常に前後輪にトルクがかかっている本当の意味での四輪駆動ではありません。FFメインの場合は、登坂や坂道発進で実用十分ですが、FRメインの場合は後輪スリップで尻振りで体勢が変わって実用にならないこともあります。 この頃の4WD専用車は、通常FRとして機能していて4WDが必要なときに前輪シャフトと後輪シャフトをつなぐパートタイム式でした。 パートタイム式は、4WDの駆動力は前後の差が無いので強力ですが、前後輪の回転差を差動させることはできないので、小回り時にはブレーキング現象がおきたり、パーツに無理な負荷をかけたりします。通常はFRなど2WD使用が前提の4WDです。 1981年にアウディ・クワトロが、前後輪シャフト部分にもデフ(センターデフ)を採用した4WD(フルタイム4WD)で登場しました。センターデフをもつことで常時四輪にトルクがかかり、小回り時などの前後回転数差にも対応できる真の意味での4WDの登場でした。ただデフの仕組みから一輪を空転させてしまうと残り三輪にトルクが伝わらない状況が生まれますので、手動でセンターデフロック ができるようになっていました(86年はトルセン式に)。日本では、前にネタにしたマツダ ファミリア が1985年にセンターデフ式4WDとして登場します。1986年には、スバル レオーネ、トヨタ セリカ GT-FOUR(映画「私をスキーに連れてって」でも人気に)が後を追って登場。 その後、手動式のセンターデフロックを、機械的仕組みやビスカスLSDを使うことで空転防止と差動機能を両立させるフルタイム4WDも登場します。日産ブルーバードSSSアテーサ、三菱ギャランVR4、ランサー、スバル レオーネ、トヨタ セリカなど。
私は、三菱 ランサー をその頃選択しました。最初は、手動デフロックがないビスカスLSD式は、デフロック式に駆動性能で劣る場面があるのでは?という心配をしましたが、全く心配ありませんでした。乾燥路でもフルタイム4WDならではの安定した4輪グリップ感や、減速時の沈み込みの少ない安定感が好きになりました。
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