フィルムカメラのフィルムにあたるイメージセンサーです。左からフルサイズ(約36×24mm)、APSC(ハーフ)サイズ(約24×16mm)、1/2.3サイズ(約6×4mm)です。この他にもいろいろありますが、とりあえずメジャーなセンサーの代表としてあげました。 フルサイズは、ほぼ135フィルムカメラの撮像面と同じ広さをもつので、そのフルサイズという意味です。フィルムカメラのハーフサイズとほぼ同じ面積のものがAPSCサイズです。コンデジやスマホなどのカメラセンサーが1/2.3サイズ近辺となっています。 フィルムの場合フィルム粒子の密度を上げることはそう簡単にできませんから、拡大が必要だったり、詳細な描写を求める場合は、フィルムそのものが大きいものを使いました。ブローニー版120フィルムや、4×5インチ、8×10インチなどです。もちろんカメラもそれ用の別のものになります。フィルム面積を大きくすれば、印画時の拡大率が低くなるのでフィルム粒子が見えてくるのを押さえられるというわけです。 粒子感はフィルムによって(カラーネガ用、モノクロ複写用など)違いますが、135フィルムでデジタルカメラの1000万画素感覚くらいかなと感じます。全紙引き伸ばしでは粒子が見えますし、四つ切、六つ切りまではなんとかといった感じでしたから。 こんな感覚とピクセル等倍まで上げたときのピクセルボケの感覚から、私はAPSCサイズで1200万画素周辺、フルサイズで2400万画素周辺が標準値と感じています。 デジタルカメラのセンサーの場合、撮像面を細分割する技術がすすみ、小さな撮像面でも画素数を上げられるようになってきて、現在は、コンデジ・スマホサイズで1200万画素、APSCで2400万画素、フルサイズで2400〜5000万画素となっています。フルサイズにはSONYから今は高感度用といわれていますが1200万画素のものもあります(D3/D700もこの系列でした)。 デジタルの場合、引き伸ばしは演算処理になるので、正しくデータがのっていれば、小さなセンサーでも大きなセンサーでも変わりません(フィルムから印画紙への引き伸ばしになると引き伸ばしレンズ性能も影響します)。 センサーに描画するのは、レンズの仕事になるので、簡単に想像できると思いますが、小さいセンサーに写すのと、大きいセンサーに写すのでは、小さいセンサーに正しく写すレンズのほうが精度が求められます。同じ誤差が大きいセンサーでは小さく、小さいセンサーでは大きく記録されます。光を感じる部分は広いほうが集光がよいので、1画素は大きいほうがよいです。「画素数が多い→拡大できる」ということは、望遠レンズで広い範囲をカバーしているような感覚です。手振れリスク上がります。小さく拡大なら気づかないからよい、というわけでもありません。線的にはミクロなずれも全体としては色あいの差となりえます。データも大きくなります。用途に合わせてセンサー画素数が選べる商品設定があるといいです。 フルサイズ機の場合はほぼできています。高感度1200万画素、標準2400万画素、高画素4800万画素などのように。 APSC機が2400万画素だけになっているのが残念です(ニコンには2000万画素がありますが)。135フィルムだと、いわゆるフルサイズカメラが必要でしたが、デジタルの場合、レンズ性能も上がって、APSC(ハーフサイズ)で135フィルム同等かそれ以上の仕事をすると感じています(大きなボケが欲しい場合以外は)。ボディも小さく扱いやすいです。スマホ写真以上を求める人にはうってつけと思います。が、2400万画素はややマニアックです(フルサイズ標準)。手持ちでばしばし写すには、手振れリスク少なく、感度がよい1200万画素センサーカメラの追加ラインナップが欲しいです。特にコンパクトカメラに。
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