Nikon Df
2015.11.27購入


36.0×23.9mm / 4928×3280=1625万画素 / 1画素7.3μ平方
レンズは1971年のNIKKOR H Auto 50mm 1:2
右は1974年のNikon F(NIKKOR SC Auto 50mm 1:1.4)


購入の経緯

 使用していたD600をセンサーゴミ修理に出したところ、機種交換で新品D610が届きました。このD610下取りに出しDfを購入しました。フルサイズ2400万画素センサーのよさはD600で十分わかったので、画素数が少なく1画素面積の大きいD4系のセンサーを使ってみたくなりました。D4のセンサーには興味があるものの、D4は大きさと価格から私の選択肢には入りません。

カスタマイズ...フォーカシングスクリーンの交換

D600同様、Dfもオールドニッコールレンズがメインになります。フォーカシングスクリーンを交換しました。D600と同じサイズですので、D600で使っていたキャノンのEg-s改造品に交換しました。全面マット式の透明度の低いタイプです。
フォーカシングスクリーンは台湾のフォーカシングスクリーン・コムから購入できます。何回か買っていますがよく工作できていると思います。
フォーカシングスクリーンは簡単に交換できるものですので、ニコンからマニュアルフォーカス用など純正で販売されるとよいなあと、感じます。接写などでは、オートフォーカスでなくファインダーピント具合の確認の必要性がありますから。(下の写真は Ec-B タイプスクリーンのものでEg-sタイプスクリーンではありません)



フォーカシングスクリーンを交換すると、スクリーン厚みと光の屈折率の関係で、ファインダーピントと、真のピントとの誤差が出る場合があります。これはスクリーンシムで調整します。前ピン方向へはシムを厚くし、後ピン方向へはシムを薄くします。私のDfには金属シムが2枚入っていました。改造スクリーンにはプラスチックシムもついてきます。Eg-sでは少し後ピンになったので、現在はこれを1枚追加しています。シム無しでは後ピンになるように作られています。シムは何で作ってもよいので、微妙な調整は薄紙などで自作してもOKです。




AI改造レンズの再調整

DfのAI爪は薄いので、AI改造したレンズの絞りリングが薄い場合、爪に引っ掛かりません。
D600でも28mm1:3.5レンズではパテで肉盛りをしましたが、Dfでは50mm1:1.4レンズも必要となりました。爪に引っ掛かればよいだけなのでエポキシ接着剤をパテ代わりに肉盛りしました。



(左)50mm1:1.4 (中)28mm1:3.5 (右) AIレンズ


デジカメ鬼門の紫

デジカメのセンサーは、RGB(赤緑青)のフィルターをかけて色を記録しています。「紫」は、青と赤の混ぜ具合で表現されます。ところが、一部の「紫」は、赤のフィルターを通すと赤の成分が吸収されて赤を担当するセンサーへのデータののりが弱くなることがあります。この画像データを再生すると、赤のデータが弱い結果、青が強くなり、紫が青に近い色で再生されます。これはデジカメの鬼門です。
Dfも例外でなく、紫が青として再生される局面があります。左が記録されたデータのままの画像、右が私の色の記憶をもとに画像処理ソフトで赤を補い紫を発色させたものです。
撮ったままのデータ。紫が青として再生される。 左のデータを画像ソフトで赤を補い紫を出す。

Dfの感想(2017.11.5現在)

満足部分
(1) センサー。やはり1画素の大きいセンサーは光の捉えがよいと感じる。写真としては質感に表れる。データもそれほど大きくならないので気楽にRAWで撮れる。
(2) オールドレンズが使いやすい。(ただしAI爪が折りたたみ式という点のメリットは少ない。レンズをAI化するほうが得られるメリットが大きく、AI化すれば他のフルサイズ機でも使えるので。)
(3) 大きすぎないボディ
改善希望
(1) マニュアルフォーカス用に透明度の低いマット式のフォーカシングスクリーンのオプション設定。
(2) メモリの出し入れに底蓋を開ける方式は使いにくい。他の機種同様の横蓋がよい。
(3) 人差し指ダイヤルはデザインを優先したと思うが使いにくい。他の機種同様の方式がよい。使う機会は少ないが。
(4) ブラック塗装がはげやすい。Nikon Fのブラックボディもそうであったが。
(5) 露出補正ダイヤルは1/3段ずつだが1/2段でよい。ISOダイヤルも1/2段でよい。ダイヤル設定以外でその他設定ができるので。
(6) 絞り込み測光。できるのかな? 接写リングや、非AIレンズ使用時にはあってもよい。試し撮りでヒストグラムを見れば露出計以上に正確だが。
総評
Nikon F 同様長く使えそうなよいカメラ。
手軽にフルサイズを楽しみたい方、オールドレンズを楽しみたい方、荒れのないフルサイズならではの高画素を楽しみたい方には、D750,D810,D850,D5,Dfという今のラインナップの中から D610 をすすめる。D600、Df、D800 と使ってきてフルサイズ2400万画素は古いレンズも対応でき、集合写真も詳細に撮れるよいバランスであり、使い勝手がニコンのデジタルカメラと同じでニコンに慣れた人にはしっくりくると思う。価格も手頃。


フルサイズニコンでは Nikomat / Nikon F 時代のレンズが現役

NIKKOR-H Auto 50mm 1:2 (1971)

初めての一眼レフ Nikomat FTN とともに買ったレンズ。よく使ったレンズでピントリングはすかすかだけど、Dfでもよく使うレンズ。

NIKKOR-Q Auto 135mm 1:2.8 (1972)


標準レンズの次は、望遠135mmというのがお約束のような時代だったかも。1:3.5のレンズもあって写りはそちらがシャープという評判だったけれども演奏会撮影を考え明るい1:2.8にした。レンズの性能を簡単にチェックできるデジタルの時代になり、撮ってみるけどなかなかいい写りをすると思う。

NIKKOR-H Auto 28mm 1:3.5 (1973)


今は「大三元ズーム」というカメラオタク用語があるけれど、昭和のこの頃は、標準50mm、望遠135mm、広角28mmというのがそんなレンズだったように思う。そんな流れで三番目に買ったレンズ。買ったけれどもなかなか使いこなせず現在に至っている。iPoneカメラや、コンデジのズーム広角端だったり、スナップ写真用途にはよく使われる焦点距離だけど、私にはちょっと広く入りすぎるのと、広角の特性が出て周辺変形するのでバイクの形が変わったりすることから、今でも意識した時以外出番のないレンズになっている。

NIKKOR-SC Auto 50mm 1:1.4 (1974)


Nikon F とともに弟が買い、ゆずりうけたレンズ。50mm1:2レンズを使うことが多く出番は少ないけれど、使ってみればよく写るレンズ。昭和の物は真面目に作っているなあと感じる。1.4と明るいレンズなのでファインダーが明るくピントの山をつかみやすい。

NIKKOR 35mm 1:2 (1976)


50mmレンズは、室内でのスナップでは、4〜5人を収めにくいことがでたり、バイクツーリングでは、もう少し広く入れたいと思うことが出たりして買ったレンズ。買ってみると私の使い方に合ったようで、よく使うようになる。最短撮影距離が30cmで花や小物などのちょっとした近接撮影がきくようになったことも便利だった(50mmや28mmは60cmなので)。 最近は意識して50mmをつけているけれど、そうでなければつけっぱなしされることの多い常用レンズとなっている。写りもよい。



Dfでは kakoストロボが復活
kako AUTO-2800, kako AUTO-250S(1970's)


kako AUTO-2800, kako AUTO-250S


koko AUTO-280(他光源無), WB=5211K(太陽光)
Nikkor Q-Auto 135mm1:2.8, K2+K3
デジカメはISO感度上げらるし、ストロボ内蔵が多いので全く出番無しになっていましたが、Dfはストロボが無いのでたまに復活。発光動作はさせていたので40年たってもコンデンサー不調もなく健在。デジカメはホワイトバランス調整も簡単ですが、フィルムはラボまかせ。kakoの色はアンバー色の反射器のせいか、当時青白くなるストロボが多かった中では自然な感じでお気に入りだった。2800はバウンズ発光可。



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