FUJIFILM FinePix F10 (2005年)
600万画素(2848×2136) 1/1.7型ハニカム式センサー
8-24mm(36-108mm相当) 1:2.8-5.2
- 2014年の目でD50と比べながらテストする -


2005年発売のコンデジ、会社の廃棄品。このカメラはローパスフィルターにゴミが付着。 今やコンデジは、修理より新品購入の消耗品。興味を示すのは、ガラクタ好きの私くらい。 メディアも一般的でないXDカード、充電にはマルチコネクタを介すなど、時代を感じる仕様です。
ちょっと評判のよかったカメラなので、捨てる前に試してみると、写りがよくてびっくりです。 ピクセル等倍画像のぼやけも、今の1000万画素超えのコンデジのピクセル等倍画像よりぼやけず良好です。 (画素数をもっていてもピクセル等倍画像がぼやけるのはレンズとバランスしない限界超えと私は見ます。) 画素数少なく1ピクセルが大きいのでレンズが光をのせやすいのでしょう。
ボディは、角はへこみ、あちこちにキズ。落とされたり、酷使されたりしたのでしょう。 それでもちゃんと動作しています。丈夫なカメラです。
そこでちょいレポート。どの程度の画像かわかりやすくするために、 同時期発売の似た画素数(600万画素)の一眼レフ、ニコンD50の画像を並べます。

D50との比較でわかるようにFinPix F10すばらしいコンデジです。その後のマイナーチェンジを調べると...
F11(絞り/シャッター優先オート追加)
F30(バッテリー変更(ストッパー付)、マルチコネクタ廃止)
F31(使用可能メモリ容量増加(所詮XDですが)、顔認識)
...などとなっています。コンデジは、2L版300dpi印刷できる400万画素あれば十分と思っています。 1ピクセルも大きくなって光もよくのると思います。しかし、2014年現在そんなカメラはありません。


APSC一眼レフのD50と比較
(画像をクリックすると等倍画像になります
FinePix F10

12.2mm(55mm相当) f=3.4 1/75秒 ISO100
縮小画像ではD50の35mmレンズとそれほど差はなくよく写っていると思います。ピクセル等倍では、 細い葉の輪郭がぼやけたり、葉がざらつき質感が弱くなるのは1画素が小さくレンズが光をのせづらいからでしょう。

Nikon D50

35mm(52mm相当) f=5.6 1/60秒 ISO200
1画素の大きいD50の画像は、質感が優れています。


FinePix F10 ピクセル等倍クロップ

12.2mm(55mm相当) f=3.4 1/9秒 ISO100
オートフォーカスしかないないので、オートフォーカスにて。フィルム箱面に合わせています。 何度か試しましたが、このカメラは被写界深度内でやや前ピンのようでした。
Nikon D50 ピクセル等倍クロップ
35mm(52mm相当) f=5.6 1/6秒 ISO200

撮影サンプル


12.2mm(55mm相当) f=8 1/480sec
ローパスフィルター真ん中にゴミが付着して写り込んでいます。 レンズ交換式カメラならレンズを外して、エア吹きなどで飛ばせますが、 レンズ交換式でないので本体分解でローパスフィルターまでいかなければなりません。



以上2014.11.22記


FUJIFILM FinePix F30 (2006年)
600万画素(2848×2136) 1/1.7型ハニカム式センサー
8-24mm(36-108mm相当) 1:2.8-5.2

F10がすばらしかったので、ヤフオクでF30をゲットしました。 ボディはF10よりやや薄く丸みがあります。バッテリーストッパーが付いていて蓋を開けてもバッテリーが落ちません。 バッテリーを外してしばらくすると日付設定がクリアされるのでストッパー付はこれが無く安心です。 絵づくりはF10より明るい感じです。背景ボケを表現させたいのか、被写界深度内でやや前ピンに設定されているようです。 このシリーズの熟成機という感じで好印象です。バイクよりもカメラを携帯しにくいスキー用カメラとして重宝しそうです。

F30撮影サンプル
(画像をクリックすると等倍画像になります)

2014年12月28日撮影 Mモード自動 8mm(36mm相当) F7.1 ISO100 1/850秒
こういう明るい場所ではファインダーが欲しい。液晶は真っ暗でまともに見えない。
明暗差の大きい被写体ですが、オートでよくとらえていると思います。

F30とスキーへ


FUJIFILM FinePix F10/11/30/31 は、1/1.7型(7.6×5.7mm)センサーで、画素数を630万画素にとどめたデジカメです。 一般的なスクエア式画素でなくハニカム式画素としている点も興味深いです。仮にスクエア式として1画素の大きさを計算すると、 7.6mm÷2848=2.7μ平方となります。この大きさは、特筆すべきで、1型、4/3型並の大きさです。 2014年は、1/1.7型センサーのカメラによいものが登場した年でしたが、これらの機種は1200万画素あるいはそれ以上に 画素を小さくしています。カメラの画像処理エンジンで上手に画像処理してはいますが、ピクセル等倍データはあまくなるように感じます。 画素数を欲張らず、600万画素程度におさえれば、1画素が大きくなり、ピクセル等倍データもしっかりするでしょう。 現行機種と比べても、F10系のFinePixはコンデジの名機といってよいでしょう。


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