AF一眼レフの3つのバックフォーカス
1.撮像面に対して(真)
2.フォーカススクリーンに対して
3.AFセンサーに対して
撮像面のピントが真...あたりまえ(^_^;)
像を記録するセンサー撮像面のピントを確認できれば一番正確です。
昔の写真屋さんのように、フィルム面にすりガラスを置いて暗幕をかぶって確認するようにです。
ライブビューのできるデジカメはこれと同じことができます。またたいていは拡大がきくので、
マグニファイヤーやルーペで拡大して確認するのと同じことまでできます。
ミラーレス一眼レフはこれです。
フォーカススクリーンでのピント合わせ
フィルム面でピント合わせをするのは機動性に欠けますから一眼レフは、
フォーカススクリーンでピント合わせをするように工夫されています。
ここで大切なことは、鏡でフォーカススクリーンに向かうバックフォーカスと、
フィルム面へのバックフォーカスが一致していないと、フォーカススクリーンでピントを合わせても、
フィルム面(センサー面)で合わなくなるということです。
写真は私が昔使っていた Nikon F のフォーカシングスクリーンです。買ったカメラは自分でチェック
しないと気がすまない私なのでチェックしたものでした。
1mものさしを斜めにして1cmきさざみくらいにファインダー・ジャスピン
で撮っていきます。人の癖もありますから、同じところで4枚くらいとります。
8箇所くらいするとフィルムはなくなります(36枚撮り)。フィルムを現像し、引き伸ばし機で拡大してチェックします。
思った通りならめでたしですが、前ピン、後ピン傾向だと面倒です。ニコンへお願いすればいいのですが、
スクリーン交換式ですので、失敗したらスクリーンだけ購入すればよし、だめもともとで荒業を試す猛者もいました。
スクリーンバックフォーカスは長くすれば後ピン、短くすれば前ピンになります。短くしたければヤスリで枠を削ったり、
長くしたければ薄紙を敷いたり(シムですね)。私のFはジャスピンだったので荒療治は経験していません。
デジタル一眼レフはフィルム一眼レフより簡単です。スクリーンはシム調整されていますので、シムに載っています。
短くする必要があればシムを抜けばいいし、長くする必要があれば薄紙でシムをつくればいいですから。
またデジタル一眼レフはオートフォーカス調整の目的もあるのか、ミラー固定用偏芯ネジを調整して、
ミラー反射角をわずかに変えてバックフォーカス調整ができるようになっています。
この方法はバックフォーカスは可変できますが、やり方からしてファインダー像センターも変えてしまうはずです。
オートフォーカスセンサーのように画面の一部を使うものに対してなら問題ありませんが、
ファインダースクリーンは画面全体を表示するものですから画面センターが狂うような調整は避けたいです。
(というものの私は気楽にいじっています。動かしても私が画面センターの狂いは感じないからです)
フォーカシングスクリーンでのピントは、フィルム一眼レフのスクリーンと違い、
今のデジタル一眼レフのスクリーンはピント山がつかみにくいです。マグニファイヤーを使ったりして
ファインダースクリーンピントを追い込みます。それが撮影ピントと一致すればOKです。
ピントを合わせては撮影し、調整しては繰り返し、ベストを探ります。こんな作業するときはデジタルのありがたみを感じます。
ファインダーで絞り込んで撮影したものが、下の画像の上段のようになれば私としてはOKです。
オートフォーカスセンサーでのピント合わせ
ここまでの調整で、ファインダースクリーンのピントは調整されています。
次にオートフォーカスセンサーでのピントを調整します。
オートフォーカスセンサーへのバックフォーカス光軸はメインミラー後ろのサブミラーでセンサーに向かいます。
これもミラー角の変更で調整できるようになっています。フォーカスセンサーは画面全体をカバーするものではないので、
こちらは気楽に変更調整できます。
ただしセンサーの合焦判断には誤差があるので、バランスのよいところを探っていきます。
上の画像の中段は、後ろから合わせてきてフォーカスエイド点灯位置。ピント合わせの手順からして若干後ピンになります。
上の画像の下段は、前から合わせてきてフォーカスエイド点灯位置。ピント合わせの手順からして若干前ピンになります。
後ろからと、前からのバランスがいいところで妥協点とします。オートフォーカスはつきつめると限界があります。
オートフォーカスレンズではレンズの機械的クセもありますから、この後は気になる場合は、
カメラ本体にオートフォーカス微調整のあるものはカメラ本体のオートフォーカス調整で調整するのがイージーです。
オートフォーカス誤差
オートフォーカスは、センサーが合焦を判定し、フォーカスリングを停止することで決定します。
モーターでフォーカスリングを動かすのですから、ギヤバックラッシュや、センサー判定範囲などで誤差をもちます。
手前からの合焦と、奥からの合焦で撮影したサンプルです。手前からはやや前ピンに、奥からはやや後ピンになります。
ピント位地はフィルム箱面(定規センター)です。被写界深度がピント面をカバーしていますから、オートフォーカスの動作は許容内です。
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